5月初旬頃より煎茶、そして中旬より玉露・碾茶(抹茶用)の茶摘みが始まります。この年の最初の茶を新茶(または一番茶)と呼び、味、香りともに最高といわれています。その後、人とテクノロジーの両面から追求して、茶の個性をそれぞれ生かした製茶を行い、最良の品質の宇治茶を提供しております。

茶の手摘み・機械摘み

昔は、茶摘みと言えば手摘みと限られ、朝から日が落ちるまで、ひたすら茶摘みが行われておりました。今でも、機械摘みが困難な畑や覆い下茶園、特別高級な茶は手摘みされています。

茶摘みのポイント

  • ◎新芽の付け根にある小さい葉(霜かぶり)を残し、折るようにして摘む(霜かぶりを摘んでしまった場合すぐに取り除く)
  • ◎古葉が茶摘み籠に入ったとき取り除く(他の異物も同じ)
  • ◎茶籠に入った茶の葉を、押さえつけない
  • ◎摘み取った茶の葉を、長い時間放置しない

煎茶の茶摘みは、茶園に覆いがないので機械による茶摘みが主となっています。手摘みのみの時代と比べると、各段に作業効率が上がりました。

荒茶と仕上茶

荒茶は、茶葉を製茶加工しただけで、茶の茎や製茶に出る茶の粉、硬い葉等を選別しない状態のお茶です。仕上茶は荒茶から、茎や粉等を取り除き、火入れをして仕上げたお茶で、雑味がとれ、味が整えられています。一般に市販されているのがこの状態です。

春の新茶と秋に売り出される熟成茶。どちらが美味しい?

新茶は今日、味や品質も、低温倉庫で一年中均一に美味しく保たれていますが、昔は壺を利用して、茶蔵や氷室などに保存しました。
壺の中で味をまろやかに熟成させたお茶は、新茶ならではの香りはありませんが、味のカドがなくなり旨みが多く感じられます。「秋のお茶はおいしい」といわれるのはこのためです。

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