5月初旬頃より煎茶、そして中旬より玉露・碾茶(抹茶用)の茶摘みが始まります。この年の最初の茶を新茶(または一番茶)と呼び、味、香りともに最高といわれています。その後、人とテクノロジーの両面から追求して、茶の個性をそれぞれ生かした製茶を行い、最良の品質の宇治茶を提供しております。
昔は、茶摘みと言えば手摘みと限られ、朝から日が落ちるまで、ひたすら茶摘みが行われておりました。今でも、機械摘みが困難な畑や覆い下茶園、特別高級な茶は手摘みされています。
煎茶の茶摘みは、茶園に覆いがないので機械による茶摘みが主となっています。手摘みのみの時代と比べると、各段に作業効率が上がりました。
荒茶は、茶葉を製茶加工しただけで、茶の茎や製茶に出る茶の粉、硬い葉等を選別しない状態のお茶です。仕上茶は荒茶から、茎や粉等を取り除き、火入れをして仕上げたお茶で、雑味がとれ、味が整えられています。一般に市販されているのがこの状態です。
新茶は今日、味や品質も、低温倉庫で一年中均一に美味しく保たれていますが、昔は壺を利用して、茶蔵や氷室などに保存しました。
壺の中で味をまろやかに熟成させたお茶は、新茶ならではの香りはありませんが、味のカドがなくなり旨みが多く感じられます。「秋のお茶はおいしい」といわれるのはこのためです。